日本ではサイクルロードレースはあまり馴染みがありませんが、海外では昔からメジャーなスポーツとして知られています。世界で最も権威のある「ツール・ド・フランス」というレースは3週間かけて約3500kmを走ります。なんと1日165kmです!ツール・ド・フランスはその知名度と規模から、大きな経済効果をもたらすため、フランス国内外の自治体がこぞって誘致競争を繰り広げる程です。
自転車レースの面白さは何なのでしょうか。
人によって答えは分かれるでしょうが、代表的なものとしてはその戦略性が挙げられます。
戦略性を生み出す最も重要な要素が「空気抵抗」です。空気抵抗はおよそ速度の2〜3乗に比例し、時速40kmにもなると相当な抵抗力がかかります。
この空気抵抗を抑える方法が「他の人の後ろを走る」ことです。場合にもよりますが人の後ろを走ることで、一人で走る場合の約70%の力で速度を維持することが出来ます。
このような特性があるため、一人より二人の方が圧倒的に速く、敵チームの選手と一時的に同盟を組んだり、エースのためにチームメイトが風よけになったり(意外かもしれませんが自転車はチーム競技です)します。結果として戦略は多様になり、一瞬で決定的な差がつくことさえあります。
レーサー班ではそんなレースを走ります。味方と敵を使い、だまし、そして自分の持てるすべての力を出し切って勝負する、頭脳と身体能力の総合力が試される競技なのです。